遺言書のある相続の争いで、遺言が有効か否か、問題となることがよくあります。
ここでは、遺言能力があるかどうかが大きな争点となります。
遺言能力とは、簡単
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遺言書のある相続の争いで、遺言が有効か否か、問題となることがよくあります。
ここでは、遺言能力があるかどうかが大きな争点となります。
遺言能力とは、簡単に言うと、遺言を作成した人が遺言の内容や、それによって生じる法律効果(遺言をした結果どうなるか)を理解している能力と考えてもらえれば構いません。
実際には、「亡くなった父は認知症にかかっているので遺言なんてできるわけがない。
これは、兄(相手方)が父を抱き込んで書かせたものだ」というような主張をする時に問題となります。
この遺言能力は、カルテや長谷川式認知症スケールのような客観的証拠に加えて、遺言をした当時の体調・言動等、遺言の内容によって決定されます。
上述の長谷川式認知症スケールでは、一般的に30点中20点以下であると認知症の疑いが出てくると言われています。
10点を切るような場合は、相当程度重度の認知症にかかっているという前提で遺言能力が判断されるでしょう。
しかしながら、これのみで遺言能力がないと判断されるわけではありません。
当時の体調自体は問題がなく、遺言が簡易な内容であるような場合には、遺言能力があると判断される場合も十分あり得ます。
例えば、「不動産はAに相続させる。それ以外のすべての財産はBに相続させる」といった単純な内容であれば、認知症が進行しているような場合でも、理解は可能であると判断される可能性はあります。
逆に、遺言の条項が増えたり財産の種類が増えたりしていくにつれ遺言能力は認められづらくなります。
その他、不和であった相続人に対し敢えてこのような遺言をするのかといった家族間の関係や、遺言をした前後の発言も判断要素に加えられます。
これらは程度問題の話であり、一律にこうだというような結論は出せない難しい問題ではあります。
実際にどのような判決がされるのか予測が困難なところではあるので、弁護士に相談する段階では、まずは、上記のような証拠や周辺事情を手当たり次第集めていただくのがよいと思われます。